Ping値とは「インターネットの速度を決める重要な指標」。ネットが遅い原因と対策
インターネットが遅い原因は色々ありますが、今回は意外と見落としてしまうポイントを説明します。
※ちなみに前回は「LANケーブルがネット速度を左右する」という記事を書きました。こちらも見てみてください。
インターネットが遅い原因は、複数の事象が重なっていることがほとんどなので、一つ対処したからといって、すぐにネット速度が復旧するわけではありません。
今回はネット速度が遅くなる原因の一つである「Ping値」について説明していきます。
とは言っても、エンジニアの人が取り扱うような「コマンド」や「ポート番号」等の専門的な内容は記載していません。あくまで一般的なユーザー目線でPing値の重要性やPing値を利用して速度を改善するノウハウを説明していきます。
この記事の目次
Ping値とは|基礎的な知識
まず前提としてPing値の読み方は「ピンチ」です。「ピングチ」と読まれる人も多いので、読み方には注意しておきましょう。
このPing値ですが、日本語では「応答速度」と言われ、自宅に引いているネット回線からインターネットへ信号を出し、その信号が戻ってくるまでの合計の時間を指しています。
このPing値が高ければそれだけインターネットへ接続する時間が長いということになります。
つまり、Ping値が高い=ネット速度が遅いという認識でOKです。
Ping値を測定してみよう|インターネットが遅い原因かどうか
Ping値を測定するには、「SOURCE FORGE」というサイトから測定が可能です。
画像元:SOURCE FORGEの公式サイトより
こちらの「SOURCE FORGE」のサイトは全文英語となっていますが、ページ全体が暗号化(https)されているため、個人情報などの大事な情報をしっかりと保護しているので信頼性・正確性は十分あります。
そんなSOURCE FORGEのサイトを利用した測定方法は簡単で、上の図にある「TEST NOW」をクリックすれば、サイト自体が自動的に測定してくれます。
このPing値の数値によって通信速度が良いか悪いかを判断します。※上図で言うと、一番左の値です。
値が高ければそれだけインターネットへアクセスするまでの時間が長いことになるので、Ping値を改善する必要があります。
特に、通信速度が求められるオンラインゲームでは、頻繁にネットへのアクセスが求められるので、Ping値が非常に重要になります。ゲームをやっている最中にラグが発生しやすい人は、このPing値が高い可能性がありますので、できれば早急に改善することをオススメします。
Ping値を改善する方法
Ping値が高いのであれば、低くしないことにはネットの速度は向上しません。しかし、だからといって、Ping値を直接下げることはできないのです。
では、どうしたらいいのか。それは、Ping値が高い原因をひとつずつチェックすることが必要になってきます。チェック項目とはいっても、以下の5つだけです。
- LANケーブル
- 無線ルーターの種類
- 無線ルーターの置き場所
- プロバイダ
- ネット回線(ADSL、ケーブルテレビ、その他)
ひとつずつチェックしていきましょう。
①LANケーブル
有線でパソコンとネットを繋いでいる場合、LANケーブルの規格・種類によって速度が左右されます。
詳しくは、前回の記事に書かれているのでそちらをチェックしてほしいのですが、簡単に言うと、LANケーブルの規格が古ければそれだけPing値が高くなります。
LANケーブルの規格を調べるには、LANケーブルの表面に記載されている「CAT 数字」を確認すれば良いです。※CATはカテゴリーと呼ばれ、CATに続く数字が大きければそれだけ最新の規格ということになります。
現在は「CAT 8」まで開発されていますが、最低でも「CAT 6」以上のLANケーブルを使いましょう。
②無線ルーターの規格
無線ルーターにも規格があり、規格が違うだけで通信速度に大きく影響します。現在ある主な通信規格と通信速度、周波数帯域の関係は以下の通りです。
無線ルーターの規格 | 通信速度 | 周波数帯域 |
802.11b | 11Mbps | 2.4GHz |
802.11g | 54Mbps | 2.4GHz |
802.11a | 54Mbps | 5GHz |
802.11n | 300Mbps | 2.4GHz/5GHz |
802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz |
ひと昔前までは、通信規格が「802.11n」「802.11a」といった通信規格が採用されていましたが、現在はそれらの規格よりも10倍以上速い「802.11ac」が登場しています。
ですので、できれば通信速度が速い「802 .11ac」を使うのがオススメです。
ちなみに、現在使っている無線通信の規格の調べ方は2通りあります。
- コマンドプロンプトから調べる(PCのみ)
- インターネットのプロパティから調べる
一つ目は、コマンドプロンプトから調べる方法です。手順は、まずコマンドプロンプトで「netsh wlan show interface」と入力します。
以上のような手順を踏むと、コンピューターが自動的に無線ルーターの通信規格を調べてくれます。具体的には、以下のような出力が出てきます。
赤枠で囲った部分が現在使っている無線の規格となります。
二つ目は、インターネットのプロパティから調べる方法です。
こちらはパソコンの画面右下にある「インターネットアクセス」から、現在接続されているWi-Fiのプロパティをクリックすれば、通信規格が調べられます。具体的には、以下の図の赤枠で囲っている部分が現在使っている通信規格となります。
※不要な情報は黒塗りで加工しています。
現在の無線ルーターは「802.11ac」が主流となっていますので、現在対応していない方は、ぜひ802.11acに対応したルーターの購入をオススメします。
③無線ルーターの置き場所
置き場所という物理的な問題で、ネット速度が遅くなることがあります。例えば、無線ルーターを置くうえでNGな置き場所は以下の通りです。
- 電子レンジの近く:無線ルーターから発する電波を電子レンジの電波が邪魔する場合がある
- 金属製もしくは水を多く含む物の近く:無線ルーターの電波は金属や水に吸収されやすいため、本来届くはずのエリアまで届かない場合がある。(金属製のラック、水槽、加湿器など)
- 部屋の隅:無線ルーターの電波は機器から全方位で発するため、部屋の隅に置いてしまうと壁が邪魔になり電波が届きにくくなる。
上で挙げたNGな置き場所に一つでも当てはまる方は、ぜひ置き場所を変えてみましょう。できれば、障害となる物がなく部屋の中央に置くのが望ましいです。
④プロバイダ
プロバイダは自宅とインターネット回線を繋ぐ中間的な役割ですが、プロバイダによって速度が遅くなることも考えられます。
特にフレッツ光では、数多くのプロバイダ業者と提携を結んでいるため、中には胡散臭いプロバイダ業者もいます。※ここでは、実名を伏せておきます。
そのため、プロバイダでも有名どころであるSo-net(ソネット)やBIGLOBE(ビッグローブ)、GMOとくとくBB、OCNといった信頼できる事業者と契約するのが良いでしょう。
(記事の後半でオススメのネット回線・プロバイダを紹介しているので詳しくは後述します)
⑤ネット回線(ADSL、ケーブルテレビ、その他)
おそらく、これまで紹介してきた上記のチェック項目でPing値は改善されるんですが、そもそも、今、契約しているネット回線そのものに問題があるケースがあります。
今、使用しているのがADSLやケーブルテレビだとインターネット回線の速度が遅いです。※光回線の速度が最大1ギガを提供しているなか、ADSLはその1/20程度の50メガの速度しか出力されません。
これまで無線ルーターやプロバイダなどをチェックしてきましたが、大元のネット回線が貧弱だと速度は向上しません。
特に、下記のネット回線を使用していなければ要注意です。
- auひかり
- ドコモ光
- ソフトバンク光
- フレッツ光
- ビッグローブ光
- ソネット光
- NURO光
もしかしたら、上に挙げたネット回線以外にも速い回線はあるかもしれませんが、上記のネット回線であれば問題ありません。※ドコモ光の場合はプロバイダに注意。
もし、乗り換えを検討しているのであれば、auひかりとNURO光はオススメです。首都圏、関西、東海で、最大速度が5ギガや10ギガのサービスを展開しているので、そもそも回線自体が圧倒的に速いからです。
また、ドコモ光もプロバイダによりますが、速度が速くなる仕組みを確立していますし、ソフトバンク光も全国的に人気があります。
他の記事で分かりやすく説明しているので参考にしてみてください。
・auひかり…auひかり完全ガイド
・NURO光…NURO光のオススメ代理店
・ドコモ光…GMOとくとくBBが人気の理由
・ソフトバンク光…キャッシュバックランキング2018